技能実習生の派遣・受け入れに関する基礎知識とは?

技能実習生の派遣や受け入れのポイントは?

人材不足を補うため、外国人労働者の派遣を検討する企業も増えてきました。しかし、「技能実習生を受け入れたいが、どうしたらよいかわからない」という声は少なくありません。こちらでは、技能実習生の現状や外国人労働者との違い、雇用のポイントなどについてご紹介いたします。これから技能実習生や外国人労働者を採用したい方はぜひご一読ください。

技能実習生の現状・技能実習生と人材派遣の違いについて

技能実習生や外国人労働者を採用する企業は年々、増加傾向にあります。限られた期間内で働くという点は共通しているものの、両者の制度には大きな違いがあるのです。こちらでは、技能実習生の制度が生まれた目的や現状、外国人労働者派遣との違いについてお伝えいたします。

派遣前に知りたい技能実習生の現状

技能実習生の文字

技能実習生とは?

外国人技能実習制度を利用して働く方々のことです。1993年にスタートした制度で、開発途上地域などから来日した人材に技能や技術、知識を与えて国際協力することを目的に運用され始めました。技能や知識の移転が目的のため、在留期間は1年から始まり、在留資格に応じて3年もしくは5年までと決められています。

技能実習生は日本で働く外国人労働者の中でも2番目に多く、厚生労働省が公表した「外国人雇用状況」によると、2020年10月末時点の技能実習生数は約40.2万人といわれています。

変化する外国人労働者の現状

これまで日本政府は外国人労働者の受け入れに慎重でした。しかし、今後の深刻な労働力不足を見据えて規制緩和することを2016年に決定し、2019年4月に「特定技能制度」がスタートします。この制度は一定の専門性や技能を持ち、即戦力となる外国人労働者を受け入れるものです。通算で5年までの在留資格が与えられます。制度が誕生した背景から、外国人労働者を取り巻く環境が徐々に変化していることが伺えます。

コロナ終息後は外国人労働者がさらに増える?

技能実習生を含む在留外国人労働者数は、2020年末に過去最高の172万4,328人を記録しました。10年前と比べると約3倍で、コロナ禍であっても外国人労働者数は増加傾向にあります。一方で、新型コロナの感染拡大に伴う入国制限で来日できない技能実習生も増えており、その数は2021年10月時点で約11万1,200人といいます。こうしたことから、コロナ終息後は外国人労働者がさらに増えることが予想されています。

技能実習生と人材派遣の違い

技能実習生のイメージ

技能実習生と人材派遣は、「決まった期間働く」という点においては共通していますが、明確な違いがあります。技能実習生と人材派遣の違いについて見ていきましょう。

技能実習生と人材派遣は目的が異なる

技能実習生と人材派遣は制度上の目的が異なります。前述のとおり、技能実習生の就業目的は「技能や知識などを発展途上地域へ移転すること」です。そのため、雇用する側も国際的な発展をサポートする立場となります。一方で、人材派遣は様々な生活スタイルの労働者が働きやすいよう設けられた制度です。また、雇用者側の人材不足を解消することも目的の一つです。人材派遣会社の中には、外国人労働者の派遣をサポートしている企業もあります。

在留資格や選べる業種などの違いもある

技能実習生と外国人労働者派遣は、それぞれ在留資格や選べる職業、期間などにも違いがあります。

・技能実習生

在留資格 6区分に分類
※期間・受け入れ方式によって異なる
選べる職業 83職種151作業
※対象職種:農業・漁業・建設業・食品製造業・繊維関連業・金属関連業など
受け入れ可能期間 最長5年
受け入れ可能人数 各企業の職員数に応じて上限が変動

・外国人労働者派遣

在留資格 永住者、定住者、日本や永住者の配偶者、就労ビザ取得者
選べる職業 制限なし
※就労ビザ取得者の場合、学歴関連性などの制限あり
受け入れ可能期間 制限なし
受け入れ可能人数 制限なし

それぞれのメリット

技能や知識の移転を目的とした技能実習生の場合、在留期限まで同じ職場に勤めることが一般的です。そのため、最長で5年間勤めてもらえる人材を確保することができます。特定技能への変更が叶えば、最長10年働ける方もいらっしゃいます。外国人労働者派遣の場合、働ける期間に制限がないことがメリットです。ただし、技能実習生のように転職への制限がないことは留意しておきましょう。それぞれの特徴を掴み、各職業や企業に適した人材を雇用することが大切です。

技能実習生を派遣・雇用するまでの流れ・ポイント

技能実習生を雇用するまでの流れについて解説していきます。技能実習生の雇用は、主に8つのステップで分類できます。また、技能実習生の受け入れには2つの方式が採用されているため、それぞれの企業や職業に合った方法を選択しましょう。こちらでは、技能実習生を派遣・雇用するまでの流れやポイントについて解説いたします。

【技能実習生】派遣・雇用までの流れ

派遣・雇用までの流れについて

技能実習生を採用し、雇用するまでには、いくつかの手続きが必要です。こちらでは、技能実習生を受け入れる手順を見ていきましょう。

技能実習生を雇用するまでの8つのステップ

  • 1実習職種や送り出し国、人数など「受け入れ計画」を決める
  • 2送り出し国の所定機関に求人を依頼、候補者が決まり次第、面接して採用
  • 3技能実習計画を作成し、外国人技能実習機構へ申請
  • 4技能実習計画認定通知書の交付
    ※結果は外国人技能実習機構本部から厚労省・法務省(出入国管理庁)へも報告
  • 5在留資格認定証明書に必要な書類を作成し、法務省(出入国管理庁)へ申請
  • 6在留資格認定証明書および必要書類を添えて、在外公館(現地の日本大使館・領事館)へビザ申請
  • 7具体的な入国日を決定し、航空券を手配する
  • 81ヶ月間の入国後講習を受けた後、各企業へ配属

なお面接、採用までの期間は候補者の応募状況によりますが、各機関への申請は約4~5ヶ月かかることが一般的です。技能実習生を初めて受け入れる際は、技能実習計画認定を受けるまでに、さらに1ヶ月ほどの期間を要します。

技能実習生の受け入れ方式と在留資格

技能実習生の受け入れは以下の方式で行われています。それぞれの受け入れ方式によって在留資格区分の呼び名も変わります。

・企業単独型

日本にある企業が、送り出し国の関係会社や取引先企業などから単独で現地の人材を受け入れる方式です。出入国の手続きや入国後の講習を受け入れ企業がサポートします。送り出し国に支店や一定の関係がある企業が運営していることが多いです。

在留資格区分

  • 1~2年目:技能実習第1号イ
  • 2~3年目:技能実習第2号イ
  • 3~5年目:技能実習第3号イ

・団体監理型

事業協同組合や営利目的でない商工会議所などの「監理団体」が、技能実習生を受け入れる方式です。受け入れ企業に変わって、各種手続きや講習などをサポートします。受け入れ後は、適切な技能実習が行われているかどうかの訪問指導も行われます。

在留資格区分

  • 1~2年目:技能実習第1号ロ
  • 2~3年目:技能実習第2号ロ
  • 3~5年目:技能実習第3号ロ

【技能実習生】派遣・雇用のポイント

ポイントの文字と人物

技能実習生の受け入れは実習生と企業、それぞれに有益な選択です。よりよい採用を行い、受け入れていくためにも次のポイントを押さえておきましょう。

信頼のおけるパートナー機関を選ぶ

技能実習生を受け入れるために欠かせないのが、パートナー機関選びです。監理団体や監理企業を選ぶ際は、許可区分や対応可能な地域、送り出し実績の多い職業などを確認していきましょう。

1993年の外国人技能実習制度スタート以降、多くの技能実習生を受け入れてきた大きな監理団体がある中で、過去には不正により重い処分を受けた団体もあります。また、儲け優先のブローカーを利用するなど、悪質な業者があることも否めません。信頼できるパートナー機関を選ぶためにも、しっかりと調査を行い、コミュニケーションをとったうえで契約を結ぶようにしましょう。

経営陣と現場が協力して受け入れ体制を整える

技能実習生を受け入れるためには経営や人事部門、そして現場のサポートが欠かせません。経営陣だけで技能実習生の受け入れを決定し、指導は現場に丸投げするとうまくいかないことが大半です。まずは、技能実習生を受け入れる背景や今後の方針などを主要な現場メンバーに共有し、体制を整えていくことが重要となります。

可能であれば、受け入れまでに技能実習制度の概要や実習生の送り出し国など、技能実習への理解を深めていくとよりよいサポートが行えるでしょう。

「優良な実習実施者」に認められると実習期間拡大も!

優良な実習実施者とは、一定の条件をクリアした企業や監理団体が認定されるものです。2017年11月より施行された仕組みで、認定されると技能実習3号の資格を持つ技能実習生の受け入れが可能になります。この資格を有する技能実習生は、5年間の在留許可を有しているため、より長く働けることが特徴です。

また、技能実習生の受け入れ数は職員の人数に応じて決められますが、優良な実習実施者は基本人数枠の拡大も認められます。より長く、より多くの技能実習生に働いてほしい企業は、優良な実習実施者を目指すとよいでしょう。

技能実習生の派遣や雇用のことなら株式会社 龍原に相談を!

少子高齢化が急速に進む日本において、人材不足に悩まされている企業は少なくありません。今後の安定的な事業継続のためにも、技能実習生や外国人労働者の受け入れは一つの選択肢になるはずです。

株式会社 龍原ではこれまで培った中国企業とのネットワークを活かし、日本語能力が高く、真面目に仕事に取り組む外国人労働者の派遣を行っております。就労ビザやトラブル解決などのアフターフォローまで、サポートいたします。技能実習生や外国人労働者の受け入れを検討中の方はぜひご相談ください。

アフターフォローまでサポート!技能実習生の派遣のことは株式会社 龍原にご相談ください

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